内蔵のリアルタイム制御によりBLDCモーターを10分足らずで動かせるだけでなく、モーター・システムの静音化と最大70%の小型化を実現

 
2021年9月08日

SCJ-21-009

日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は、矩形波制御およびフィールド・オリエンテッド・コントロール(FOC)を備えコーディングが不要の、業界初のセンサレス70WブラシレスDC(BLDC)モーター・ドライバを発表しました。このモーター・ドライバを使用すると、設計者は10分足らずでBLDCモーターを動かすことができます。大型・小型の家庭電化製品といった産業システムや、人工呼吸器やCPAP(持続陽圧呼吸)機器などの幅広い医療アプリケーションを設計するのにかかる期間が何か月も短縮されます。リアルタイム制御とパワーMOSFETなどのディスクリート部品を最大18個統合したこのモーター・ドライバにより、システムの応答時間が高速化し基板面積が最大で70%小型化すると同時に、クラス最高の静音性能が得られます。製品の詳細に関しては、www.tij.co.jp/mcf8316a-pr-jpwww.tij.co.jp/mct8316a-pr-jpをご覧ください。

Omdia社のシニア・リサーチ・アナリストであるNoman Akhtar氏は次のように述べています。「電力効率の向上やオートメーションといったトレンドがあちこちで見られ、より静かなモーターを求める声も高まっているため、リアルタイムのモーター制御がますます求められるようになっています。AC誘導モーターから電力効率の良いBLDCモーターに移行する産業システムが増加していますが、BLDCモーターが高い性能を発揮するには複雑なハードウェア設計と最適化されたソフトウェア設計が必要です。設計者が求めるモーター応答の高速化のニーズを満たしながら設計サイクル全体を短縮することは、次世代の産業システムにとって大きな前進になるでしょう」

 

コーディングが不要のセンサレス・モーター制御により設計期間を短縮

BLDCモーター・ドライバ『MCF8316A』と『MCT8316A』は、モーター制御ソフトウェアの開発、保守、認定が不要になる独自の整流制御アルゴリズムを内蔵しているため、何か月もの設計期間が短縮されます。このアルゴリズムと高度な統合により、これらのモーター・ドライバはモーター故障検出などの重要な機能の運営と同時に、システムの信頼性向上のための保護メカニズムの実装を可能にします。これらのモーター・ドライバは、内蔵されたセンサレス・テクノロジでロータの位置を把握するため、ホール・センサを外付けする必要がありません。これによりシステムコストの削減、および信頼性の向上が実現します。

さらに、センサレスFOCモーター・ドライバ『MCF8316A』は、モーター・パラメータをスマートに取得するので、設計者がモーターを手早く調整できると同時に、モーターの製造過程におけるばらつきがあっても一定したシステム性能を引き出せます。センサレス矩形波制御モーター・ドライバ『MCT8316A』では、設計者はたった5本のハードウェア・ピンを使ってモーターを調整できます。これによりマイコン・インターフェイスが不要になり、システムが簡素化されます。

詳しくは、技術記事「ブラシレス DC モーターの設計時にサイクル期間を短縮する 3 つの方法」をご覧ください。

 

クラス最高の静音性能

BLDCモーター・ドライバ『MCF8316A』と『MCT8316A』は、高度なリアルタイム制御機能を備えており、空気清浄機、冷蔵庫、洗濯機、扇風機などのアプリケーションで業界最高レベルの静音性能を実現できます。『MCF8316A』には、電流波形歪みを補償する、特許取得済みの精密な自動デッドタイム補償技術が内蔵されており、設計者はこの技術でモーターの静音性能を最適化できます。『MCT8316A』では、調節可能な矩形波制御技術が内蔵され、設計者はこの技術を用いてモーターのノイズを低減させることができます。

家電設計にこれらのモーター・ドライバを用いて最高の静音性能を得る方法については、アプリケーション・ブリーフ「コーディング不要のセンサレスBLDCモーター・ドライバを使用してモーターのノイズを低減する方法」(英語)をご覧ください。

 

リアルタイム制御によりシステム応答時間を高速化

センサレス矩形波制御モーター・ドライバ『MCT8316A』のモーターの回転速度は最高で3.5kHzに達し、これは他のどのコーディング不要なセンサレス・モーター・ドライバよりも高速です。そのため、高速で精密なモーター制御が求められるロボット掃除機などのアプリケーションにおいてシステムの応答が高速化します。

また、『MCT8316A』と『MCF8316A』は業界で初めて、能動的にモーターを減速させる迅速で制御された方式を備えており、従来のモーター制御技術と比べて50%速くモーターを停止できます。さらに、これらのモーター・ドライバは、無秩序に電流をレールに逆流させずにモーターを停止できるので、システムの損壊を防ぎます。

 

基板面積を最大70%削減

『MCF8316A』と『MCT8316A』を使用すると、設計者は基板面積を最大で70%縮小できるので、モーター・システムの全体コストの削減になります。3個のゲート・ドライバと、それぞれ50mΩのオン抵抗(RDS(on))が付随した6個のハイサイドMOSFETとローサイドMOSFETを統合することで、12および24Vシステムに対応して8Aのピーク電流で最大70Wの電力供給が可能な初のBLDCモーター・ドライバとなりました。低ドロップアウト・レギュレータ、DC/DC降圧レギュレータ、電流センス・アンプといった部品も統合しているため、最大で18個のディスクリートICを削減することができます。

 

パッケージ、供給と価格について

『MCF8316A』と『MCT8316A』の量産前製造分は、40ピン、5mm×7mm、QFNパッケージで、現在TIウェブサイトのみで供給中です。1,000個受注時の単価は1.75ドルから設定されています。TIウェブサイトでは、日本円でのご購入が可能です。また、お支払い方法や注文時の各種オプションをご用意しています。

 

バーチャルイベント:TI Live! Tech Exchangeにて製品デモを実施

2021年9月27日~29日(US時間)に開催されるバーチャルイベントTI Live! Tech Exchangeにて、『MCF8316A』と『MCT8316A』の製品デモンストレーションを実施いたします。本イベントでは、TIのエキスパートによる、リアルタイム制御、ビジョン・センシング、オートモーティブおよび電源ICのデザイン・トレンドについての基調講演、ラウンドテーブル・ディスカッション、テクニカル・セッションおよび製品デモンストレーションを開催いたします。詳細はti.com/techexchangeをご参照ください。


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