最小サイズの低EMI電源設計が可能になる、業界初のアクティブEMIフィルタ内蔵 DC/DCコントローラを発表
TIの新しい降圧コントローラにより、産業用および車載用電子機器においてサイズの縮小とEMI(電磁干渉)が最も優れた電源を実現


日本テキサス・インスツルメンツは、電源ソリューション・サイズの縮小と電磁干渉(EMI)の低減を実現する、同期降圧DC/DCコントローラの新ファミリを発表しました。アクティブEMIフィルタ(AEF)とデュアル・ランダム・スペクトラム拡散(DRSS)テクノロジを内蔵した『LM25149-Q1』と『LM25149』を使用すると、外付けEMIフィルタの面積を半分に削減したり、電源設計の伝導EMIを多くの周波数帯で55dBµV程度低減したり、あるいはその両方を併せて実現することができます。製品の詳細に関しては、www.tij.co.jp/LM25149-Q1-pr-jpwww.tij.co.jp/LM25149-pr-jpをご覧ください。


電源におけるEMIの削減は、特に、先進運転支援システム(ADAS)、車載用インフォテインメントおよびクラスタ、ビル・オートメーション、航空宇宙/防衛などの設計に使われる電子機器が増加している中で、ますます重要な設計課題となっています。従来の方法で伝導EMI規格に適合した設計を目指す場合、外付けのパッシブEMIフィルタが大きくなり、結果的に電源ソリューション全体のサイズが増大します。一方で降圧コントローラ『LM25149-Q1』と『LM25149』ではAEFを内蔵することで、EMI規格に準拠しながら設計の電力密度を上げることができます。内蔵AEFの働きについて詳しくは、技術記事「内蔵アクティブEMIフィルタによりEMIを削減し電源サイズを縮小する方法」をご覧ください。

 

CISPR 25クラス5周波数スペクトラム全体で伝導EMIを低減

低EMI設計について最も厳格な工業規格が、CISPR(国際無線障害特別委員会)25クラス5の車載EMI規格です。降圧コントローラ『LM25149-Q1』と『LM25149』は、多くの周波数帯で伝導EMIを低減するので、この規格への適合が容易になります。内蔵AEFは、150kHz~10MHzの低周波数帯の伝導EMIを検出して低減するため、AEFが無効のときと比較して、スイッチング周波数が440kHzのときにEMIを最大50dBµV減衰、標準的なパッシブ・フィルタを使用する設計と比べた場合は20dBµV程度EMIを減衰できます。どちらの場合も、DRSSテクノロジにより、低周波数帯から高周波数帯にわたってEMIをさらに5dBµV減衰できます。

 

よりいっそうのEMI削減のため、この2つの降圧コントローラには外部クロックへの周波数同期機能が備わり、EMIの影響を受けやすいアプリケーションの望ましくないビート周波数を低減できます。EMIを低減する手法について詳しくは、ホワイト・ペーパー「電源のEMI削減のための短期間で費用対効果が高いイノベーション」をご覧ください。

 

外付けEMIフィルタを縮小しソリューションのコストを削減

スイッチング電源を設計する際に、電源のEMIを低く保つこととソリューションを小型化することは、一般に両立が困難です。降圧コントローラ『LM25149-Q1』と『LM25149』では、パッシブEMIフィルタの面積と体積の削減により、厳しいEMI規格に準拠しながらソリューション・サイズの縮小が可能になります。競合のソリューションと比較して、440kHzのときに最大でフロント・エンドのEMIフィルタを面積で50%近く、体積で75%以上削減できます。内蔵AEFによりパッシブ部品にかかるフィルタリングの負担が軽くなることで、サイズ、体積、コストが削減され、できる限り最小化された低EMIの電源設計が可能になります。

 

2相インターリーブ動作が可能で、ブートストラップ・ダイオードと、ループ補償、出力電圧帰還部品を内蔵した降圧コントローラ『LM25149-Q1』と『LM25149』により、電力密度がさらに向上するため、設計が簡素化されてコストも抑えられます。外付けの帰還とループ補償を使って、さらに設計を最適化する方法もあります。

 

パッケージや購入方法、価格について

42V 降圧DC/DCコントローラ『LM25149-Q1』と『LM25149』の量産前製造分は、3.5mm×5.5mm、熱特性強化型24ピンVQFNパッケージで現在TIウェブサイトでのみ購入可能です。1,000個受注時の単価(参考価格)は、それぞれ1.42ドルと1.20ドルから設定されています。LM25149-Q1EVM-2100評価モジュールは、75ドルでTIウェブサイトから購入可能です。TIウェブサイトでは、日本円でのご購入が可能です。また、お支払いと配送方法について各種オプションをご用意しています。両製品とも、量産品は2021年第4四半期に供給開始の見込みです。さらに、両製品のピン互換の80Vバージョンの開発にも取り組んでいます。

※すべての登録商標および商標はそれぞれの所有者に帰属します。