高温対応車載設計が簡素化されるとともに、信号絶縁と車載ネットワーク性能が向上する、新しいグレード0デバイス

 

 

2020年3月02日

SCJ-20-005

日本テキサス・インスツルメンツは、車載用電子部品の信頼性規格AEC-Q100の動作時周囲温度仕様グレード0に適合する、業界初のデジタル・アイソレータを発表しました。デジタル・アイソレータ『ISO7741E-Q1』は、業界でも随一の動作電圧1.5kVRMSにより、グレード0の最高温度150℃まで対応します。この新しいデジタル・アイソレータを使用することで、ハイブリッド電気自動車(HEV)や電気自動車(EV)システムの低電圧回路を、高電圧イベントから強固に保護できるようになります。また、グレード1認定の集積回路(IC)が対応可能な最高温度は125℃ですが、グレード0の『ISO7741E-Q1』を用いた場合、周囲温度を125℃以下に下げるための冷却システムを設計する必要がなくなります。『ISO7741E-Q1』の詳細については、こちらをご覧ください。

これらに加えて、CAN FD(Controller Area Network with Flexible Data Rate)通信をシステムに実装する場合、グレード0の新しいCAN FD車載トランシーバ『TCAN1044EV-Q1』と合わせて『ISO7741E-Q1』を使用することで、車載ネットワーク(IVN)信号保護を強化し、到達範囲を広げることができます。『TCAN1044EV-Q1』の詳細については、こちらをご覧ください。 

高温環境でも動作するデバイスにより設計の自由度が向上

例えば48Vシステムのハイブリッド車では、内燃エンジンとバッテリ・システムが混在するためIC周辺の空気が125℃以上に熱せられてしまうことがあります。AEC-Q100が規定する最高の温度グレード(-40℃~150℃)要件を満たすグレード0認定ICを用いることで、このような運用環境が厳しいHEV/EVシステムの設計が簡素化されます。TIの新しいグレード0デバイスである『ISO7741E-Q1』と『TCAN1044EV-Q1』は、最高150℃の性能信頼性があり、HEV/EVシステムの高温部分にも配置することが可能なため、余分な部品を追加したり複雑な設計をする必要がありません。

AEC-Q100車載温度グレードの詳細と、IVN信号絶縁においてグレード0が重要な理由については、技術記事「グレード0のデジタル・アイソレータにより高温絶縁設計の課題を解決する」(英語)をお読みください。

高い絶縁定格と高度な電磁環境適合性

『ISO7741E-Q1』は、TIの容量性絶縁テクノロジを利用し、業界最高レベルの1.5kVRMSの動作電圧および5kVRMSの絶縁電圧を実現しています。これにより、HEV/EVのパワートレインに加え、スタータ・ジェネレータや冷却ファン、トラクション・インバータなど、絶縁境界をまたいで信号を伝送する必要があるHVACシステムの動作信頼性が向上します。容量性絶縁と、TIの電源および信号の絶縁テクノロジの包括的なポートフォリオについて詳しくは、こちらをご覧ください。

このデバイスは、標準同相モード過渡耐圧が±100kV/µsと高く、IEC(国際電気標準会議)61000-4-2の接触放電保護が±8kVであるため、厳しい車載環境におけるシステム・レベルの保護が強化されます。

 

長距離でも信頼性の高いIVN性能のための高速な信号スループット

CAN FDバス設計に『ISO7741E-Q1』と『TCAN1044EV-Q1』を組み合わせることで、ISO(国際標準化機構)11898-2:2016の高速車載通信タイミング規格に準拠できます。これにより、データ速度が低減することなく、IVNの到達範囲が広がるとともに信号の信頼性が向上します。

 

パッケージ、供給と価格について

グレード0デジタル・アイソレータ『ISO7741E-Q1』は10.3mm×7.5mm、16ピンSOICパッケージで現在TIと正規販売特約店より供給中で、1,000個受注時の単価は1.49ドルより設定されています。グレード0 CAN FDトランシーバ『TCAN1044EV-Q1』(量産開始前)は4.9mm×3.91mm、8ピンSOICパッケージで現在TIウェブサイトから供給中で、1,000個受注時の単価は0.43ドルより設定されています。

 

 

※すべての登録商標および商標はそれぞれの所有者に帰属します。