米国テキサス州リチャードソンにある TI の最新 300mm ウェハー・ファブが、初期生産を開始しました。エレクトロニクス市場における半導体の将来の成長に対応するために、今後数カ月にわたって生産規模を拡大します。RFAB2 は RFAB1 に隣接しており、RFAB1 は世界初の 300mm アナログ・ウェハー・ファブとして 2009 年に操業を開始しました。RFAB2 は、製造事業を拡大するために増設されている 6 つの新しい 300mm ウェハー・ファブの 1 つです。

「TI の最新かつ最大の 300mm ウェハー・ファブで初期生産が進んでいるのを見ることができ、私たちは大変うれしく思っています。これは、社内製造キャパシティを長期的に拡大するための投資の一環です」と、 Technology and Manufacturing Group シニア・バイス・プレジデントのKyle Flessner は語ります。「今回の目標達成は、TI の建設、施設、製造の各部門が密接に協力した成果であり、今後数年にわたるお客様の需要にお応えするために、生産規模を拡大できるのをうれしく思います」

米国テキサス州リチャードソンにある TI の 300mm ウェハー・ファブの詳細

米国テキサス州リチャードソンで高度な製造能力の構築

この新しいファブは RFAB1 より 30% 以上広く、2 つのファブのクリーン・ルームの面積を合計すると、630,000 平方フィート (58,529 平方メートル) を上回る規模です。合計 15 マイル (24km) に達する自動型の頭上運搬設備が完成すると、これら 2 つのファブ間で、ウェハーのシームレスな運搬が可能になります。

実生産時には、リチャードソンにある２つのファブは1日 1 億個を上回るアナログ・チップを製造する見通しであり、これらは再生可能エネルギー生成源から電気自動車まで、あらゆるエレクトロニクス機器で活用されます。

「米国テキサス州リチャードソンの 1 箇所の拠点にあるこれら 2 つのファブを連携させることで、運営の効率と規模が大幅に向上し、お客様をより効率的に支援することができるようになります」と、Kyle は語ります。「TI はテキサス州北部で 90 年以上にわたって操業しており、リチャードソンのコミュニティとの間で優れたパートナーシップを築いてきたことを誇りに思います。TI が半導体製造の卓越性を継続的に構築することは、TI の従業員とテキサス州北部の多くの住民にとって魅力的な出来事です」

TI は、持続的で責任のある製造を実施できるように、長期的な取り組みを実施してきました。RFAB1 はアナログ半導体製造施設として、世界で初めて LEED Gold (Leadership in Energy and Environmental Design：エネルギーと環境を意識したデザインのリーダーシップ) 認証を取得しました。この規格は、高水準の効率と持続可能性に関するレーティング・システムの 1 つで、このファブでは、これらに適合するための設計が採用されました。RFAB2 はこの取り組みを土台として構築したものであり、同じく LEED Gold 規格に適合する設計が採用されました。

300mm 製造キャパシティへの投資

RFAB2 は、DMOS6 (テキサス州ダラス) や RFAB1 (テキサス州リチャードソン) など、TI の既存の 300mm ウェハー・ファブの拠点を補完します。また、TI はアナログと組み込みプロセッシングの各半導体デバイスで構成された多様な製品ラインアップを社内で製造できるように、合計 6 つの新しい 300mm ウェハー・ファブを追加しており、RFAB2 はその 1 つになります。TIが2021年に買収した、米国ユタ州のLFABでは、今後数カ月での初期生産の準備が行われています。TI はまた、300 億ドルを投資して4 つの新しいファブを米国テキサス州シャーマンに建設することを今年発表しました。そのうち 1 番目と 2 番目のファブは現在建設中であり、最初のファブは 2025 年に製造を開始する予定です。

「TI の将来の成長や、今後数十年にわたる顧客の需要に対応する TI の製造能力にとって、TI の 300mm ウェハー・ファブ建設は重要な役割を果たします」と、Manufacturing Operations シニア・バイス・プレジデントのMohammad Yunus は語ります。「私はこれまでに達成した進捗を誇りに思い、今後数カ月にわたって RFAB2 が 300mm の生産を立ち上げていくのを楽しみにしています」